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ドロパック(2)-調達編
 20KHz程度の周波数のPWM出力をするためにGoogleとの格闘の末に見つけたのが、ルネサスのPWMジェネレータR8A66173SP(以下66173)というICでした。

 66173はシリアル通信でコマンドを送ることにより12bit分解能(4096分解能)、最大PWM周波数32KHzのPWM信号を4チャンネルまで作れるICです。
 この種のICはLED制御用などに各種出ていますが、LED制御用だとPWM周波数が低いものが多く、また66173のように外付けのオシレータで自由にPWM周波数を設定できるものは少ないようでした。
 それに66173は機能がシンプルなため、コマンドも分かりやすくて使いやすそうでした。

 しかし、66173は圧倒的に入手性が悪く、名だたる電子部品販売サイト(たとえばDigikey, Mouser, RS online, chip1stop etc.)でさえ売っていない。無理すれば買えなくもなかったが、「1個800円で25個から」などという厳しい条件でした。

 海外のBtoB電子部品一括見積サイトにまで手を伸ばしましたが、「なんで日本のメーカーの部品なのに日本で買わないの?」と香港の商社のお姉さんからメールで突っ込まれる始末で、「おれは海外通販をしたいんじゃない」と心が折れそうな日々でした。

 で、紆余曲折の末、タオバオで"R8A66173SP"で検索したら出るわ出るわ。
 そこで会社の中国人の方にお願いして代行購入してもらいました。1個80円くらい。もともと1個90円くらいだったのだけど、交渉してディスカウント(送料もまけてもらった)するのは当たり前らしい。文化の違いですね。5個で500円くらいで買えました。
 あと、驚いたのがそのレスポンス。会社の人がタオバオで検索して、2つの売主とチャットみたいなやつで交渉して、話がまとまるまで10分もかかりませんでした。

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超苦労して手に入れた66173(とaitendo変換基板


 66173は同期シリアル通信が必要なので、FT311DをSPI Masterモードで使用することにして、次のような構成に変更しました。いよいよ製作に入っていけそうです。
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(まだ続く)
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by r34_gtt | 2013-03-27 22:21 | 活動(電気) | Comments(0)
100均シガーライターUSB充電器を見る
 ドロパックプロジェクトの方は部品調達中(たぶん今は中国のどこか)なので、暇つぶしというわけではありませんが、最近100均で続けてシガーライター充電器を手に入れたのでレポートします。

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 左がダイソーで手に入れたもの、右がセリアで手に入れたもので、両方とも百円の品です。以前からこの手の充電器は売っていましたが、最近売られているものは最大電流が大きめになっています。

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 ダイソーのものは1000mA、セリアのものは800mAの最大電流ということになっています。充電電流の大きいスマホを意識したものでしょう。両方ともその中身はどうなのか、ちょっと見てみます。
 なお、以前から売っていたもの(最大電流500mA程度のもの)については気の迷いさんのところの100円シガーライターソケット用DC-DCダウンコンバータをアップコンバータに改造しよう!という記事が詳しいです。

 早速容赦なく分解します。まずはダイソーのものです。
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(クリックすると大きくなります)

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 この大きさにするために基板の両面に部品を実装し、表面実装部品が多用されています。MC34063Aも表面実装品になっています。気の迷いさんのところで紹介されている物と回路自体はほぼ同じですが、ヒューズが入っていません。また、コイルの大きさもあまり変わっていないようなので、1000mAの出力には疑問があります。

 ・電流制限抵抗 0.22Ω=1.36A
 ・出力電圧抵抗 4.7KΩ(1%)と1.5KΩ(1%)=5.17V
 ・入力コンデンサ 35V 47uF、出力コンデンサ 10V 220uF

 なお、iPhoneなどの対応のために、D-端子は5V×(51K/51K+43K)=2.71V、D+端子は5V×(51K/51K+75K)=2.02Vにプルアップ、プルダウンされている。

 次にセリアのものです。
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(クリックすると大きくなります)

 以前のものに比べ、筐体自体の精度が良く、梨地の表面となっており、質感がかなり上がっています。これもMC34063Aを使用しています。こっちのほうがダイソーのよりも少しコイルが大きいです。各種部品のスペックは下記の通りです。

 ・電流制限抵抗 0.15Ω=2A、ヒューズ 1A
 ・出力電圧抵抗 3.9KΩ(1%)と1.3KΩ(1%)=5V
 ・入力コンデンサ 50V 47uF、出力コンデンサ 25V 470uF

 こちらはD+, D-端子は短絡されており、共通で5V×(51K/51K+75K)=2.02Vでプルアップ、プルダウンされている。

 ざっと回路図を起こしてみました。主要部分以外はまともに見ていませんのであしからず。

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(クリックすると大きくなります)


 USB充電の規格については、MAXIMのUSBバッテリ充電の基礎:サバイバルガイドがわかりやすい。
 また、Jashi's ROOMさんのところではダイソーのものと似たものを既に紹介されていたのを見つけた(スマートフォンなどで使うシガライターUSBチャージャー 3種類のテスト)。ただし、D+, D-端子の結線が異なる。また、Galaxy S2 #26 充電に関することをいろいろ検証してみた (4)という記事では各種USB充電器の結線パターンを示されていて参考になる。ダイソーのは(5)のタイプ、セリアのは(3)のタイプになりますね。

 さて、この2つの充電器はうちのガラケーやGalaxy Noteを普通に充電できているが、買うならセリアのものかな。理由は以下のように作りがダイソーのものよりマシだからです。
 ・ボディの作りが良いし、質感もある。
 ・コイルや出力コンデンサ、電流制限抵抗がダイソーのものより余裕がありそう。
 ・800mAという(比較的)正直な出力電流表記とヒューズの存在。

 それにしてもこれが百円というのも、すごい話です。

追加:
 負荷を掛けた時の電圧の変化を見てみました。(2013/9/2 ダイソー追加)
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 セリアのものは、スペック通りの0.8A出力時には4.9V程度、スペック以上の1.2Aを出力しても4.75Vを維持しています。値段を考えると想像以上に安定していると言えるでしょう。ただし、1.2A出力は発熱で長続きしないようです(だんだん下がる)。
 ダイソーのものは、0.7Aまではセリアのものと似た特性でした。0.86A流すと最初は4.88V流れますが、じわじわ電圧が下がっていくので実用不能です。電流制限抵抗が1.36Aの設定なので(電流制限は出力電流の2倍くらいにするようにとアプリケーションノートにある)、その制限が効いているのでしょうか。それとも発熱のせい?

 じゃあ電流制限を増やせばいいかというとそうではなく、0.7Aでも結構熱くなります。セリアのものはボディが大きいためか幾分マシのようですが、それでもあったかくなるのは変わりません。

100均シガーライターUSB充電器を見る2 に続く)
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by r34_gtt | 2013-03-25 01:34 | 活動(電気) | Comments(7)
Android powerpack(略してドロパック)(1)-構想編
 またまた随分間が空きました。

 最近、Android開発に興味がありまして、どうせやるなら模型に関係するものを。との思いでパワーパックを作ることにした。プラットフォームとしては、Androidにアクセサリ的なハードを追加するAOA(Android Open Accessory)というインターフェイス仕様に対応したICであるFT311Dを選びました。

 FT311DはAndroidに接続するだけで、GPIO, UART, PWM, I2C Master, SPI Master/Slaveのいずれかの機能を提供します。AOAに対応したチップは他にもありますが、FT311Dはチップ側のプログラミング無しでandroid側のプログラミングだけで上記機能を使えるのが特徴です。

 能書はともかく、まずはハード設計です。FT311DデータシートのPWMの場合の回路例ほぼそのままで、こんな構成で考えていました。
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 キモとなるFT311DについてはFT311D Development Moduleという開発用ボードを使えば手っ取り早いのですが、コスト削減のためにチップ単体でRSオンラインから購入しました
 しかし無事FT311Dを手に入れ、秋月のTQFP(LQFP)32ピン(0.8mmピッチ)変換基板にFT311Dをはんだ付けしたあたりで気づいたのですが、FT311DのPWM出力周波数は最大1KHzでした… orz
 コアレスモーターの駆動も考えると、やはり市販のPWMパワーパックのように20KHz以上のPWM周波数が必要でしょう。

 このくらいであきらめるわけにはいかない! FT311DはGPIO, UART, I2C, SPIといろいろな通信手段があるのだから、何か手はあるはず。Googleとの相談が始まりました。

(続く)
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by r34_gtt | 2013-03-14 22:14 | 活動(電気) | Comments(0)