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百均ランタンをベースに非常用ランタン(2)
百均ランタンをベースに非常用ランタン(1)の続きです)

 シンプルにまとめた1号機はシンプルな割にまずまずの性能でしたが、より効率の向上を目指して2号機を作ってみます。と言うか、もっと作るように指示が下りました。

 DCコンバータは安価な3.3V DCコンバータであるHOLTEK HT7733Aを使ってみることにしました。HT77xxシリーズはうまく使わないとデータシートに載っているような出力を得られないことで知られていますが、100mA出力の場合、2V入力時に3.25V、1.2V入力時に3.12Vの出力電圧となっています。

 HT77xxシリーズのアプリケーションノートを見ると、高効率を目指すなら次のようにしろと(かなり好き勝手に)書いてあります。
 (1) インダクタは47uHが適当。直流抵抗が20mΩ(おそらく200mΩの誤り <なぜならアプリケーションノート中で挙げられているCDR125の47uH品は120mΩだし)以下の物
 (2) 入出力のコンデンサは低ESRの積セラなどが良い。47uF程度
 (3) 出力ダイオードはSBDでVfが0.3V以下の物
 (4) 上記のすべての部品を可能な限り近づけろ。ただしインダクタとの配線はHT77xxの下を引き回してはいけない

 何はともあれ、とりあえず形にして特性を見てみます。インダクタは秋月で買った47uH、2.1A、75mΩのもの、入出力コンデンサはそれぞれ10uF積セラを3個ずつ(出力には0.1uFを1個追加)、出力ダイオードは11EQS04を使いました。
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 また(4)を実現するためにHT7733Aを中心にして可能な限り近づけて配線しました。このためインダクタは基板の裏側となりました(画像中の薄い丸の位置)。はんだ付けがきちゃないけど、試作なので許してください。

 さて、早速特性を見てみます。33Ω抵抗を負荷(3.3V出力時に100mA)にして、0.7~2.0Vまで入力電圧を変えてみました。
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 リップルのせいか、それとも部品が良かったのか(インダクタの直流抵抗が小さいのが効いたか?)、データシートより高めに出ましたし、出力も安定しています。試作のつもりでしたがこのまま使いましょう(えっ?)。

 思ったより安定した出力なので、とりあえず簡単に抵抗での電流制限でモノにします。12Ωを使って40mA程度を狙いました。LEDは1号機と同じ日亜NSSW157Tです。せっかく工作したのに製品付属の得体の知れない白色LEDなんか使うのはもったいないです。
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 どうもったいないかはブログ:居酒屋ガレージ日記・まとめ2さんのところの●白色LEDの劣化 (連続通電して寿命を検証してみる)という素晴らしい記録があります。ほかの記録も合わせ、こういう身を張った実験結果は本当に貴重です。

 あとはちゃっちゃっとはんだ付けしてまとめていくだけです。LEDを取り付ける基板は、生基板を切ったものに変更しました。チップLEDで製品の基板を流用すると裏側に漏れる光がもったいないので。
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 一応完成した姿です。写真を撮るために1号機の時にも出てきた2本で解放電圧が1V、使用時0.3Vの弱り切った電池に再登場してもらいましたが、1号機より明るいです。
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 お楽しみの効率測定結果ですが、新品のアルカリ電池を使用して測定したところ
  入力:3.07V、54.7mA
  DCコン出力:3.33V、42mA(その時LEDのVfは2.82V)
ということで、入力に対するDCコン出力効率は83%、LEDへの出力効率は70.5%とほぼ当初の想定通りに収まりました。
# by r34_gtt | 2013-10-19 21:46 | 活動(電気) | Comments(0)
Kenwood M-616DVを買った(製品付属以外のスピーカーを使えるようにする)
 数か月前(このblogはネタが滞留しているので、数か月前の出来事をupしています)、長年使ってきたコンポR-SA7+DM-SA5が壊れてCDが聞けなくなってしまいました。たぶんピックアップの出力低下です。

 また修理すれば(過去の記録(1)(2))使えるでしょうが、15年以上使ってもうあちこちガタが来ていますし、発熱は多いですし、そろそろ引退してもらうことにしました。

 用途としては主に子供のCD再生ですが、新しくするなら子供のDVD再生にも使いたいし、USBストレージやiPodと連携できて欲しい。音質命な用途ではないので手ごろな値段の物を探していると、Kenwood M-616DVが在庫処分で新渡戸稲造さんくらいの値段になってしまっていました(最近もオクで安価にちょろちょろ出てきますね)。

 新渡戸さんくらいの値段にしてはやたら機能が充実しています。
 ・CD, DVD再生
 ・iPodドック付
 ・USBストレージ用端子付
 ・USBストレージ、CD-ROM、CD-R/RW、DVD±R/RWメディア内のMP3、WMA(DRM非対応)、MPEG1/2、DivX、JPEGなどの音声、動画、静止画ファイルを再生可能

 こんな値段でこんないろいろできていいのかねぇ。早速ポチしてやってきましたが。。。
Kenwood M-616DVを買った(製品付属以外のスピーカーを使えるようにする)_a0008202_23582833.jpg

 事前に分かっていましたが、スピーカー端子はコネクタ差込式でこれは困ります。今のBOSE 214はそのまま使いたい。製品のスピーカーケーブルをぶった切ってもいいのですが、買ったばかりだとちょっと。
 でも、このコネクタ、なんか見たことあるぞ…
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 似てる!(PC内部の電源コネクタ) 
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 ジャストフィット! ちょうど4個コネクタピンを取れるところもすばらしい! このPC電源用コネクタならいくらでも手に入るので、こいつを切って今まで使っていたスピーカーケーブルにはんだ付け。
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 コネクタピンの金属部分が見えていますが、まずショートの恐れはないのでいいでしょう。後で熱収縮チューブくらいかぶせます。

 M-616DV自体はリモコンが小さいのがちょっと意味不明ですが、普通に使えます。音もいたって普通です。でも前のR-SA7のように十ウン年もの寿命はないんでしょうね。
# by r34_gtt | 2013-10-11 00:11 | 買い物 | Comments(0)
100均シガーライターUSB充電器を見る(2)
100均シガーライターUSB充電器を見る の続きです)

 みなさま、ごきげんよう。会社の先輩がセリアでこんな物買ってきてくれました(頼んでない)。
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 ダイソーのと似てる750mA出力のシガライターUSB充電器です。はいはい、使ってみればいいんでしょ。

 以前にセリアで買ったシガライターUSB充電器と区別するために、新しいほうを「セリア小」、古いほうを「セリア大」と呼びます。早速分解に取り掛かります。

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(以下左がセリア小、右がダイソーの物)

 ダイソーの物と形は似ていますが、造りが違うので別物は別物でしょうね。出力表示は5V 750mAとなっています。
 たちの悪いことに、後ろのフタや先端部のねじ込みフタが接着されているので、適当にこじりながら分解する必要があります。
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 おっ、先端部には超小型の管ヒューズ(125V 1A)が入っていました。ショートを避けるために熱収縮チューブが巻いてあるなど芸が細かいです。
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(クリックすると大きくなります)

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(クリックすると大きくなります)

 中身はダイソーの物とは似ているようで全く異なります。また、基板がガラエポのようです。この値段の品物では予想外。ただし、金具のはんだ付けが片側しかされていなかったり、フラックス洗浄がされていないので基板が汚いし、コンデンサやコイルも貧弱です。まあダイソーのとどっこいどっこいのクオリティです。

 ・電流制限抵抗 0.25Ω=1.2A、ヒューズ 1A
 ・出力電圧抵抗 3.3KΩ(1%)と1.0KΩ(1%)=5.375V
 ・入力コンデンサ 25V 47uF、出力コンデンサ 10V 100uF

 D-端子は5V×(62K/51K+62K)=2.74V、D+端子は5V×(82K/120K+82K)=2.02Vにプルアップ、プルダウンされている。これまたダイソーと似ている。

 出力特性はセリア小はきっとダイソー並みなので測る気がしません。セリアで買うならセリア大にしましょう。
# by r34_gtt | 2013-10-10 00:30 | 活動(電気) | Comments(0)
百均ランタンをベースに非常用ランタン(1)
 「100均シガーライターUSB充電器を見る」の続きも書いているのですが、ヨメさんの要求で「緊急時に使うようなランタンみたいなやつ」を作るように言われました。

 とりあえずパッと作れるものとして、百均ランタンベースでこんなものを作ってみました。電子工作系サイトにこういうのよくありますね。
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 使ったものは
 ・百均ランタン(キャンドゥ)
 製品の内部構造はパソコン・FXなどに関する日記さんのところの『ローソンストア100』で買った『3LED ランタン』が詳しい。
 ・百均緊急充電用電池BOX(セリア)
 これについてはJR7CWK'sぶろぐさんのところのDC-DC>エコプラス製USB充電用電池BOXが詳しい。
 ・チップ白色LED 日亜 NSSW157T
 ・他スイッチや抵抗など

 要は元々単三 4本で白色LED 3個を光らせるランタンを改造し、単三 2本を充電用電池ボックスの中の昇圧基板を使って5Vに昇圧し、白色LED 1個を光らせているに過ぎません。スイッチは2回路中点OFFのものだったので、なんとなく明るい/暗いの使い分けができるようにしてみました。また、小細工として無駄に上に漏れている光をアルミテープを貼ってカットしています。
 このDCコンバータは、低電圧までがんばることでも知られており、他の機器で使いおわった電池の最後の働き場所として活用するつもりです。非常用ですしね。子供がおもちゃで使い切った、2本で解放電圧が1V、使用時0.3Vしかない終わった電池でも暗闇で役立つ位には光ります。
 もちろん、ニッケル水素電池などの充電池ではそのように電池からエネルギーを絞り出す(過放電)は禁物です。

 この「非常時に使うようなランタン 1号機」は既製の昇圧回路を使いシンプルにまとめましたが、5Vに昇圧するので白色LED 1個を点灯させるのは効率が悪いことが気になります。
 DCコンバータの出力5Vから抵抗で40%を消費していますから、DCコンバータの効率を80%とすると、約50%の効率となります。LEDの入力までに電池のエネルギーの半分を捨てていることになります(さらにLEDの発光効率もあるがそこは略)。
 
 使用した白色LED NSSW157Tは比較的Vfが低く、40mA時に実測で2.9V程度です。3.3V昇圧DCコンバータで光らせることが出来れば約70%の効率を狙えることになります。DCコンバータの出力とVfの電圧差が小さいため低ドロップの定電流回路が必要です。2号機ではそっちの方向で作ってみます。
 コンセプトとしては1号機と比較して、「一定の明るさで長時間光ること」「より省エネであること」です。
# by r34_gtt | 2013-10-06 23:54 | 活動(電気) | Comments(0)
CCR(定電流レギュレータ)を試す
 ずいぶん寝かしておいたネタですが、やっと重い腰を上げてupします。よっこいしょ。

 秋月の新取扱い商品としてON SemiconductorのCCR(Constant Current Regulator:定電流レギュレータ)が載った時は「CRDの別メーカー品だろう」と思い、全く気にしていませんでした。

 しかし、しばらくして商品説明を見ると「…定電流ダイオード等と比較して定電流を得るための電位差が小さく済みますので、…」なとと書いてあるではないか。しかも10個で200円と安い。とりあえず15mAのCCR NSI45015WT1Gを買ってきて自作のKATO用室内灯に組み込んでみました。緑の矢印の先のやつがそれです。見た目とサイズはチップCRDとほぼ同じ。
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 電圧制御パワーパックで電圧-電流の特性を測ってみます。比較対象として、LEDドライバBCR401Wを使用した自作品(図中“BCR401W”)、CRDを使用した自作品(図中“CRD”)、KATOの旧室内灯(図中“KATO(旧)”)、KATOの新室内灯(図中“KATO(新)”)、そしてCCRを使用した自作品(図中“CCR”)です。
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(クリックすると大きくなります)

 電流の立ち上がり特性はBCR401Wとそっくりです。鋭く立ち上がり安定域に入るのが早いです。また、15mA品なのに12mA程度しか流れませんでした。

 小電流のものが無いのがちょっと不便ですが、CRDより値段は安いし、2端子で使いやすいし、これからはチップCRDを買うことはなくなりそうです。
# by r34_gtt | 2013-07-11 23:47 | 活動(鉄) | Comments(0)